国指定天然記念物樹齢約1000年の大楠の木を境内で見れる
静岡県河津町にある来宮(きのみや)神社へ行ってきました。
クラブツーリズムの格安日帰りバスツアーの旅へ参加し、
河津桜祭り・イチゴ狩り・御殿場イルミネーションの旅を楽しんだ際、
河津桜祭りの会場から河津桜の原木を見に行くため道を尋ねたら
大型バス駐車場から徒歩で来宮神社方面へ抜けると近道だよ
と駐車場で交通案内をしていた方が教えてくれたのです。
そこで、河津桜観光交流館脇の大型バス駐車場脇を
町営かわづ花菖蒲園脇の道を歩くと2〜3分で来宮神社へ到着。
河津町の来宮神社の境内は、伊豆ののどかな里山風景の中で
まるで時間の流れに取り残されたようにひっそりと佇んでいました。

河津町の来宮神社は境内の一番奥にある国指定天然記念物
樹齢約1000年の大楠の木で有名なのですが、その大楠以外にも
境内の入口の鳥居の脇や社殿の横に楠の大木があり、
それぞれに迫力ある存在感を放っています。
社殿の横の楠には木の幹にしめ縄も巻かれているところから、
国指定天然記念物とはいわないまでも貴重な御神木なのでしょう。

河津町の来宮神社は、杉桙別命(すぎほこわけのみこと)神社の名で
平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)の中で
三代格式の一つに数えられる延喜式(えんぎしき)に記されている
非常に古く高い格式のある神社なのです。
河津町の来宮神社は「鳥精進・酒精進」の行事を行うことでも有名です。
河津町の来宮神社の「鳥精進・酒精進」では、氏子は毎年12月18日より
12月23日まで禁酒をして鶏肉・卵を食べません。
この禁を破ると火の災いがあるという言い伝えからそうしているようです。
その由来は、祭神杉桙別命が酒に酔い野原に寝ていたところ野火が起き
火に囲まれてしまったところ、そこへ羽に水を含ませた小鳥達が飛来し
水を降らせて野火を消し止め杉桙別命を守ったことから来ているようです。
この「鳥精進・酒精進」の行事は、現在でも河津町の氏子はもとより、
河津町外の氏子や多数の崇敬者により大切に守り伝えられている伝承行事です。
さて、その河津町の来宮神社の境内の一番奥、社殿の裏手にある楠の大木は
樹齢1000年以上といわれ静岡県下でも有数の巨木として知られています。
昭和41年に国の天然記念物に指定されており、大楠の目通り周は14メートル、
高さ24メートルの迫力ある姿に圧倒されること間違いなしですよ。

その雄大な姿はまさに御神木の威光が降り注ぐ崇高さに満ち溢れています。
この河津町来宮神社の大楠は人々から「来宮様の大クス」と呼ばれ、
古来より御神木として崇められてきたそうです。
ここ河津地方には江戸時代から明治時代中頃まで「河津七抱七楠」と呼ばれる
クスの巨木が七つあったのですが、その中で現存する「河津七抱七楠」は
この河津町来宮神社の大楠だけとなっています。
そういった意味でも非常に貴重な楠の巨木といえるでしょう。
河津町来宮神社の静けさ漂う佇まいの境内の中でも、特にこの大楠周辺は
パワースポットの気配を感じる厳かな雰囲気を感じる場所です。

河津町の来宮神社は河津地方の情緒ある里山風景に周囲を囲まれています。
心の中に懐かしさが込み上げてくるような日本の原風景が広がり
あなたの心の中にも忘れかけていた何かを蘇らせてくれるような
そんな優しさに満ち溢れていますよ。
河津桜祭りに行ったら、是非、来宮神社へも足を伸ばしてみてください。
河津桜祭り会場から僅か徒歩数分の至近距離にもかかわらず、
河津桜祭りの喧騒とは別世界の静謐な空間がそこにはあります。

河津町の来宮神社のもうひとつの耳より口コミ情報として
境内のトイレが利用できるのも女性の方には特に便利な穴場情報ですよ。
河津桜祭りの交流館や仮設トイレは大行列で長時間待ちは必至ですからね。
静岡県伊豆地方には熱海市にも来宮神社があって、
熱海の来宮神社が全国44社の来宮神社の総社となっているようです。
熱海来宮神社の大楠は同じく国指定天然記念物で樹齢2000年だそうで
テレビ・雑誌等でも紹介された国内屈指のパワースポットですから、
こちらも併せて訪れてみるのもいいかもしれませんね。