東京都立の名勝である旧古河庭園へのアクセスは、
距離や徒歩での時間を考えればJR京浜東北線の上中里駅か
東京メトロ南北線の西ヶ原駅下車が最寄駅となりますが、
六義園との園結び割引料金でセットで楽しみたい方は、
JR山手線駒込駅を利用するとよいでしょう。
旧古河庭園は、園北側の小高い丘と園南側の斜面を下った低地
という地形構造からなっている土地を利用して造園されていて、
北側の小高い丘には洋館、斜面には洋風庭園を
南側の低地には日本庭園を配するという和洋折衷構造の庭園です。
園内入口を入るとまず目に飛び込んでくるのは、
大谷美術館としても知られる英国式の石造りの洋館です。
洋館と洋風庭園の設計者は、鹿鳴館やニコライ堂を手がけた
英国人建築家のジョサイア・コンドル。
旧古河庭園内の洋館(大谷美術館)は、英国貴族の邸宅を模した
イギリス古典様式の洋館で、外壁に使われている伊豆真鶴産の
新小松石(安山岩)は、雨に濡れると落ち着いた赤色の色調で
美しい雰囲気を醸し出すことでも知られています。
この旧古河邸本館は事前予約をすれば内部を見学できますので、
希望者は下の画像の説明書きを参考に申し込んでみてください。
旧古河庭園内の洋館から続く斜面には、多くのバラが植えられた
テラス式の洋風庭園イングリッシュガーデンとなっています。
旧古河庭園内洋風庭園のバラは春と秋に見事な大輪の花を咲かせ
洋館の風情と相まって異国情緒を満喫させてくれる事で人気です。
秋篠宮家の長女、眞子様のお印であるモッコウバラ(木香茨)が
石垣をびっしりと覆っていますよ。
私が旧古河庭園を訪れたのは12月初旬で都内は紅葉も見頃を迎え
庭園の高台の上から眺める園内の木々は綺麗に色づいていました。
洋風庭園の斜面を下って低地に降りると、そこは一変して
日本情緒と和の雰囲気が漂う日本庭園となっています。
設計者は京都の庭師、植治こと小川知兵衛。
枯山水を表現する枯滝や、仏塔ストゥーパを模した十五層塔、
濡鷺型灯篭などの石柱がオリエンタルな雰囲気を醸し出します。
園内には滝壺までの落差20mという大滝もあり、
初夏から真夏の季節にはこちらで涼をとるのも一興ですね。
ひとつの庭園内で和洋双方の本格的な庭園の雰囲気が楽しめる
ちょっと贅沢な庭園が旧古河庭園です。
移ろいゆく季節の美しさを感じに折にふれ訪れてみたい
都心からもアクセスの良い美しい庭園です。