広島県三次市の三次駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の
鉄道路線(地方交通線)ですが、ローカル線ファン泣かせの
幻のローカル線としても知られています。
三江線が何故ローカル線ファン泣かせの幻のローカル線と
呼ばれているかというと、三江線の始発と終点である
島根県江津市の江津駅と広島県三次市の三次駅の
両駅を結ぶ列車本数が上り2本、下り3本のダイヤしかない
という運行本数の少なさがその理由です。
列車本数が上り2本、下り3本しかないということは、
三江線の道中で途中下車を繰り返した場合、
当日中には始発駅に戻れないということを意味します。
かといって、三江線沿線の駅周辺に宿泊施設が必ずある
というわけでもないことから、野宿などでもしない限り、
沿線の土地をのんびり楽しみながら三江線を楽しむ
といったローカル線の旅ならではの楽しみ方が
三江線の場合は非常に難しいのです。
そういった意味で三江線は、ローカル線ファン泣かせの
幻のローカル線として、ローカル線を旅する人にとっては
屈指の至難の路線といわれています。
しかし、道中に困難が待ち受けていればいるほどに、
ローカル線の旅の魅力もまた倍増するという面もあるだけに、
三江線はそれだけ鉄道ファンにとっては魅力があるローカル線
といえるのかもしれませんね。
三江線は江津〜三次間を江の川に沿って結ぶ陰陽連絡路線として、
1930年代から長い期間をかけて建設されました。
江の川沿いを走る三江線は、江の川の美しい風景や、
山腹に霧のかかった風景など、普段わたしたちが忘れがちな
里山の風景といった日本の原風景を見せてくれます。
日本昔話や古くから童謡で唄われた日本の風景を
ローカル線の旅で満喫できる数少ない路線といってもいいでしょう。
江の川は、三次から河口のある江津まで、
北方が頂点となる「へ」の字状に流路を取っていますが、
三江線もこれに沿う形で敷設されているため、
大迂回ルート(全線108kmだが、直線距離なら60km足らずである)で、
三次、江津両都市間の短絡路としては機能していません。
また拠点都市間ルートとしても、
島根県東部の主要都市である出雲市・松江方面、
西部の主要都市である浜田方面と、
広島県との連絡にはいずれも迂回路となってしまうので、
元々陰陽連絡路線としての機能を果たせるものではなかったのです。
このため、三江線では優等列車の定期運転が行われたこともなく、
全通前・全通後を通して、利用はもっぱら地域住民のための
ローカルな移動需要のみで推移してきたというのが実情です。
三江線の平日の利用客は1日平均僅か約400人に過ぎず、
同じ県内の木次線の出雲横田〜備後落合間と並んで
超閑散路線となっているため、たびたび廃線話が持ち上がっていますが、
三江線沿線の代替道路整備が進んでいないことや、
沿線住民の反対などもあって、現状維持の状態が続いています。
しかし、このまま利用者が少なような状態が続けば、
山陰地方屈指のローカル線のひとつである三江線も
路線廃止の憂き目に会う可能性がないとはいえないでしょう。
三江線が超閑散路線のローカル線となっている原因でもある
日本離れした江の川の蛇行した雄大な河の流れが、
いつか何らかのきっかけで観光需要を生み出すことにより、
三江線存続に力を貸してくれないものか、と願うばかりです
ローカル線ファン泣かせの幻のローカル線である三江線は
そのローカルすぎる路線形態と沿線環境ゆえに、
都会の人が時を忘れてのんびりするには、まさにうってつけの
真のローカル線であることも事実です。
最近の日本で忘れ去られようとしている日本の原風景を、
ゆったり眺めながら列車に揺られる三江線ローカル列車の旅は、
都会に疲れた現代人が心を取り戻すのにも最適な旅だと思います。
機会があったら、是非、究極のローカル線である
三江線ローカル列車の旅を楽しんでみてください。
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